中島ゆうこ新聞　みらいのあやべ　vol.27

2025年6月2日 2025年6月2日

宮崎達也

　　新年度から予定されている学童保育の運営の外部委託について12月議会で一般質問しました。
市内の学童保育の経過や課題などについては前月号でお伝えしました。今月号は、一般質問の内容からお伝えします。

綾部市議会議員　中島ゆうこ新聞
2025年　3月号

　新年度から予定されている学童保育の運営の外部委託について12月議会で一般質問しました。市内の学童保育の経過や課題などについては前月号でお伝えしました。今月号は、一般質問の内容からお伝えします。

学童保育（放課後児童健全育成学級）の現状と外部委託により目指す解決は？
　中島：学童保育は「安心して働きたい」、「わが子に安全で豊かな放課後の時間を過ごさせたい」という働く保護者の願いから始まった。運営形態が公営であれ外部委託であれ、実施主体は綾部市である。外部委託により目指す課題解決は？
　健康こども部長：大きな課題は、人材確保と事業の質の向上。入級児童数の増加により、必要な支援員の数も増加しているが、普段は勤務が午後のみ、長期休業時は約１か月の期間限定雇用で大幅な増員が必要、高齢化による体調不良や退職など、年間を通して支援員確保に苦慮する状況が毎年続いている。さらに、子どもたちの学びや遊びなどの変化に対応し、事業の質の維持・向上のためには、支援員の専門性も求められ、限られた職員体制の中での研修機会の確保も大きな課題。業務委託により職員の雇用の安定、ニーズに合わせた様々な働き方の選択、民間事業者等の持つ専門的な知識と経験、幅広い人材の確保と、研修の充実等による事業内容の向上を期待している。
　中島：外部委託により支援員の処遇改善も期待してよいのか？
　健康こども部長：支援員の処遇には十分に留意する必要があると認識している。事業者には、現支援員の継続希望者の優先雇用と適正な処遇、安全衛生、福利厚生を要件として求める。雇用安定やニーズに合わせた多様な働き方に加え、民間のノウハウを生かした研修機会の充実等による自身のスキルアップも期待できる。
　　子どもの人権に配慮した運営を
　中島：放課後児童クラブの運営方針には、子どもの人権に十分に配慮するとともに、子ども一人一人の人格を尊重して育成支援を行い、子どもに影響のある事柄に関して、子どもが意見を述べ、参加することを保障する必要があるとある。今後、子どもの人権に十分に配慮し、子どもの最善の利益の視点に立った運営を実現することが大切と考えるが、どうか。

健康こども部長：業務委託では、子どもたちにとって最も利益が享受できるものでなければならない。既に業務委託を行っている自治体によると、支援員の研修機会の増加と内容の充実によるスキルアップ、子どもたちのニーズに合った遊びやイベントなどの提供、地域とのつながりを大切に、校区の特性を考慮した事業計画、また子どもたちの感性を育てる新たな事業のほかに、長期休業期間における希望に応じた昼食の提供といったサービスの向上ができたとされており、本市でもそのような質の向上を目指している。
　学童保育の外部委託についてはプロポーザル方式の入札を経て、現在、市と受託予定事業者との間で準備が進められています。以前から地域の法人に委託されている東陵小学校の学童保育は今後もそのまま維持され、今回、委託予定のそれ以外の学童保育と事業の内容や質に差が出ないように市は事業者と密に調整していくとしています。学童保育について、お気づきの点などありましたら、中島までご連絡ください。

　連載コラム・子育て発達アドバイザー
子どもの健やかな育ちに必要なことと大人が作るべき環境

　昨年１０月号から２月号にかけて、乳幼児の健やかな発達の土台となる『感覚』の観点から、子どもの育ちについてお伝えしました。
　未熟な子どもが、社会で生活できるように成長するまでには、まずは、体を動かし様々な経験を積むことで、運動の練度を高め、行動を調整できるようになります。そこで得た自分をコントロールする力を、今度は子どもたちの社会（集団生活や集団遊び）の中で駆使し、さらに多様な経験を積み重ねます。そうして、自分の得意を発揮したり、苦手を他者に補ってもらうことができるようになり、その子の人生が広がっていきます。
　この流れの中で重要なのは、『失敗も経験の一つである』ということです。子どもの体・心・脳は、上手くいったことと上手くいかなかったことを試行錯誤するなかで学習します。苦手なことがでてきたり、お友達とのいざこざ、叱られるようなこともたくさん
起こります。自尊心を傷つけるような失敗ではなく、気付きや成長に繋がる『失敗ではない失敗』を経験するには、周りの大人の関わり方や声掛けの影響も大きいように感じます。まずは、大人の『失敗を存分に許す』という姿勢が、子どもの周りにあると素敵だなっと日々感じています。（やんちゃな息子の母として、その寛大さを身に着けるのがなかなか難しいのですが、、、笑）
　スーパーなどで元気にうろつく我が子を見て、「可愛いね」「元気でいいね」「小さい子がいて大変ね」と、温かい労いの言葉をかけてくれる地域の方々にたくさん励まされてきました。そんな風に、『子どもが子どもらしく思いっきり失敗できる場所や雰囲気』と『親も安心して我が子に失敗させられる地域』が子育て世代の支えになるように思います。地域の皆さんいつもありがとうございます！（池部典子）

＊池部典子さんの連載コラムは、最終回となります。

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