中島ゆうこ新聞　みらいのあやべ　vol.8

2023年8月2日 2023年8月2日

宮崎達也

6月議会報告　その２
〜手話コミ条例制定から5年、今後の取り組みは〜

綾部市議会議員　中島ゆうこ新聞　みらいのあやべ　
2023年　8月　vol.8

6月議会報告　その２
〜手話コミ条例制定から5年、今後の取り組みは〜

　綾部市が平成30年4月に、手話コミ条例を施行して5周年を迎えました。手話コミ条例の内容やこれまでの取り組みの到達点については、先月号で報告させていただきました。
今月号では、綾部市立病院会計窓口の対応や加齢性難聴者への補聴器補助制度の導入についての質疑についてお伝えします。

市立病院の会計窓口
聞こえにくい人への配慮の充実を

　年齢が上がると聴力が低下する加齢性難聴は誰でも起こり得るものです。一般的には60代半ばで 5 〜 10人に１人、65才を超えると増加し、60代後半では３人に１人、75才以上になると７割以上とも言われています。
　綾部市立病院では、診察が終わった後、会計のために受付窓口へ診察のファイルを提出して、ザワザワしているロビーで待ち、保険証の返却と会計の２回、名前を呼ばれます。「名前を呼ばれても聞こえんので困るんや」というお困りの声をお聞きします。この点については、すでに昨年の３月議会でも他の議員から同様の質問があり、「耳が不自由な方が不自由を感じないよう工夫した対応を取っている」という市の答弁でしたが、1年以上たった現在も同様のお困りの声を聞くことから、改めて対応の改善を求めました。
市の答弁は、「市立病院では耳の不自由な患者に対し、申出により診察後のファイルの中に耳の不自由な方であることが分かるように印をつけることや、無線振動呼び出し機を準備するなどの配慮を講じています。特に、無線振動呼び出し機の活用は効果的であると考えており、周知のためのさらなる工夫を進めるとともに、できる限り、不自由を感じられることがないように案内の手法についても、今後さらに研究・検討を行っていきたい」とのことでした。
　無線振動呼び出し機とは、フードコートなどで注文した料理ができると　　　　　　　　　　ジリジリと振動で教えてくれる手のひらサイズの機器です。こういった機器が利用できることが、通院されている市民の方々に伝わっていないのではないかと思います。今後、周知に努めたいということですが、その他にも良い方法があれば検討したいとのことですので、無線振動呼び出し機を利用されての感想や改善のアイデアなどご意見がありましたら、ぜひ、お聞かせください。

加齢性難聴者へ補聴器購入費の補助制度の導入を　聴覚機能の衰えは、ヒアリングフレイルと言われ、会話に消極的になったり、活動範囲が狭まることでコミュニケーション不足になり、認知症やうつのリスクが高まるとも言われています。聞こえにくさを感じたときに大切なことは、耳鼻科で難聴の原因を正しく診断してもらうこと、治療によって改善が見込めない場合は、ご自身に合った補聴器の利用をできるだけ早く開始することだと言われています。現状の補聴器購入への補助は、聴覚の障害者手帳の交付を受けられる高度・重度の難聴者（聴覚レベル70デシベル以上）の方のみ対象ですが、加齢性難聴では多くの方が聴力レベル40〜60デシベルの中等度以下で、補助の対象にはなっていません。この点についても一般質問や委員会で私も含め複数の議員からこれまでも質疑や提案がされてきています。本来なら国主導で全国一律に行われるべき施策と考えますが、国の動きが遅いため、既に１２０を超える地方自治体が加齢性難聴への補聴器購入の助成制度を実施しています。近隣では今年の４月から、京丹後市が補助制度をスタートさせました。内容は、65歳以上の住民税非課税世帯の方で、両耳の聴力レベルが平均40デシベル以上70デシベル未満の方に、補聴器購入の購入費の２分の１、上限２万円です。　市の答弁は、「国において全国統一的に実施されるべき政策であり、引き続き、国へ要望を上げている。今後も国の動向を見極めていくとともに、あわせて他市の動向も注視をして研究を進めたい」と残念なものでした。国への意見書は、綾部市議会としてもこの 6月議会で「加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度の創設を求める意見書」を全会一致で採択しました。　綾部市は、手話コミ条例の前文の中で、「誰もがコミュニケーションをあきらめることなく、つながり合い、当たり前の生活を営むことが大切です。このような認識の下、誰もが障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共に安心していきいきと暮らしやすい共生社会を実現するため、この条例を制定します」とうたっています。手話コミ条例も国の動きが遅いため、市として先行して制定したという経緯を先輩議員からお聞きしました。加齢性難聴者への補聴器補助についても、綾部市こそ手話コミ条例の理念に則り、国の動きを待たず、導入すべき施策だと思います。募集☆新聞定期購読者配布ボランティアさん中島ゆう子新聞みらいのあやべでは、新聞の定期購読者（無料）、新聞の配布作業など一緒に活動して頂けるボランティアさんを募集しています♪

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